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2012
03/08

3月4日、日経新聞の書評欄の「今を読み解く」で
五十嵐太郎さんが「震災後の住宅と地域社会」というテーマで紹介されていた本から
3冊購入してみました。
311books.jpg

「コミュニティデザイン―人がつながるしくみをつくる」(山崎亮)

「3・11後の建築と社会デザイン」(三浦展・藤村龍至)

「限界デザイン」(三宅理一)

これから読みます。楽しみです。
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2009
11/09

book1.jpg

タニアのドイツ式部屋づくり―小さな空間ですっきり暮らす整理・収納のコツ(門倉多仁亜 )

今日取り上げるのは、建築本、ではなく、暮らしかたについての本。
父は日本人、母はドイツ人というタニアさんと、そのお母さんの
住まいや生活、食事が紹介された、
写真つきの読み物です。

飾って、飾って、ニュアンスの違うものも組み合わせの妙で素敵に見せてしまう、
フランス人的なインテリアもいいな、と思いますが、
真似するのはちょっとむずかしい。
ヘタするとごちゃごちゃになりそう…
すっきり暮らすドイツ風のほうが、日本人のインテリア感覚に近いように思えます。

驚いたことに、料理研究家でもあるタニアさんのキッチンはかなり狭いです。
I形のシステムキッチンには引き出し収納は一つもないし、
その後ろには、幅90cm、高さ1m程度のオープン棚が1つあるだけです。
引き出し収納全盛の、最新システムキッチンとはかなり違う。
買い置きしない、調理道具は厳選する(電子レンジはないそうです)、
調理台に物を置きっぱなしにしない。
「ルールを決めて、守ること」
職場ではわりとあたりまえにやっていることですが、家事も同じだと気付かされます。

そしてお母さんのお住まいが、またなかなかよかったです。
日本の古いマンションに、少しずつ手を加えて住んでおられます。
リビングに出た圧迫感ある梁を、IKEAの本棚を少し加工して上手に隠したり、
玄関に剥き出しのブレーカーを扉でカバーして、そこに傘や鍵の収納も作っています。
奥行き7cmの隙間すら収納に活用し、しかもそれがさりげない。
「収納術」があからさまに目につくと、生活感が出すぎていやらしいけれど、それがないのです。

軽めのインテリア本だと思って手に取りましたが、
得るものが多く、うれしい誤算となりました。

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2009
10/27

chashitsu.jpg

茶室とインテリア―暮らしの空間デザイン(内田繁)

去年の冬から公民館の茶道サークルに通っています。
月2回のうえ、保育園の行事などでしばしば休むため
私のお稽古はなかなか進みませんが、大変楽しいです。
全くの初心者、しかもサークル内では一番の若造。
30を過ぎるとなかなかそういう場がないので、新鮮でもあります。

年齢もバックボーンも違う人たちが、
しいて言えば習い事をする気分的な余裕があることくらいが共通点の人たちが、
一つの空間で同じ花を見、同じお菓子とお茶をいただき、会話する、
それなのに毎回違うことを感じるという不思議さに、すっかり虜になっています。

さて、この本は、茶室という日本のインテリアを考察するエッセイ集です。
先日読んだ松岡正剛さんの「日本という方法」とリンクする部分の多い本でした。
松岡さんと内田さんは仕事上でもつながりがあるようで、
問題意識は相当近い様子。この2冊を続けて読んでよかったと思います。

今の住宅では、「キッチン」「子供部屋」「ダイニング」と、
すべての空間が「ここは○○をする場所」と規定されていて、隙がない。
「隙」は「好き」であり「数寄」でもあり、
子供が逃げ込める「隙」だったり、好きなものを飾る場だったりします。

そういった仏間や縁側、床の間といった場所は
現代の住宅、特に面積に限りのある都市住宅では省かれてしまう余剰空間です。
しかしどんなに狭い住宅でも、
飾りのための小さな場所、美しい光が落ちてくる階段、蛍光灯の均一な光が届かない隅、
そんな場所を工夫して用意したいと思いました。

本書の最後に内田さんは「現在、日本の家は過渡期にあります」と述べておられます。
しかし外来のものを取り込み続ける日本の住宅は、
古来から常に過渡期なのかもしれません。
つねに過渡期なら、設計者ができることはこれからもまだあるはずです。


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2009
10/13

vagabond.jpg

建築バカボンド (岡村泰之)

理論社の「よりみちパン!セ」シリーズは中高生向きながら良書が多く、
こちらのブログでも何回か取り上げたことがあります。
このシリーズに住宅建築本が登場しています。
これまた、とても良い本です
ちなみにこの本のタイトルは「バボンド」じゃなく「バボンド」でOKのよう。
固定観念をはずそう、バカボンのパパみたいに!
という著者のメッセージが含まれています。


面白かったのが「アイテマーにご用心」というくだり。

家を建てよう!と決めたら住宅の載った雑誌や洋書を買い込み
インテリアの研究に余念がない、というタイプの人は、少なくありません。
「この写真みたいな雰囲気の部屋が好き」と写真付きで渡していただけると、
設計者としては大変助かります。ただし、
ちょっと困るのは空間そのものより個々のアイテムに気を取られてしまう場合です。
ドアの把手は、洗面の水栓は、スイッチプレートは…という具合に、
インテリアのパーツおたくになってしまう。
今は建築の専門家でなくても、インターネットで世界中のパーツを買えるので
はまりだすと際限がありません。

予算も工期も潤沢にある、というなら
もちろん細部にもこだわりたい。しかしそこに
優先順位をつけられなくなり、全体の方向性を見失うと本末転倒、
打ち合わせも工事も先に進まない、という辛い状況になりかねないのです。

「後から変更するのが難しいところから、知恵と手間とお金をかけるべし」
というのは、私が自宅をリフォームする際のモットーでもありました。
何を優先すべきか迷ったときは、
ぜひ設計者の力を借りてほしいと思います。

図面をひくだけが設計者の仕事ではありません。
矛盾する要件を整理し、統合し、形にするのが設計者の役割です。


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2009
09/29

happyhouses

建築家が建てた幸福な家
(松井晴子)


様々な建築家が手がけた、築20年以上の住宅訪問記です。

最近でこそ多少生活感のある写真も載るようになったけれど
建築雑誌に載る家の写真は、「見せるための家具」以外は写っていないことが多い。
この本の写真はというと、机の上に書類が散らかっていたり、
子ども5人に占領された応接室があったり、
かと思えば見事に片付いている家もあったり、実に様々です。
そして構造も、スタイルもいろいろ。

けれど大切にされている家は何か共通の、独特の雰囲気があるようです。
掲載された24軒はプランも仕上げも似ていないのに、
住み手がみんな「うちの家はいいなあ」と思っていそう。
そして、家を長持ちさせたい、次の世代へ住み継ぎたいという意思が感じられます。

気になったのは、冷暖房関係を改修している家が多いこと。
設備機器は技術の進化もあるし、
住み手の好みや(暑いのは苦手、とか暑さはいいけど寒いのは我慢できない、とか)
その家の空調効率の細かいところは
住み始めてみないとわかりにくい、ということかもしれません。

もう一つは、庇の出が小さい木造は、外壁をやり直している場合が多いこと。
土地の限られた都会ではたっぷりと庇をとることすら贅沢ですが、
雨の多い日本では庇は無視できない問題だとわかります。

この本、残念ながらAmazonでは今、古本の取り扱いしかないようです。
家作りを考える人に是非手を取ってほしい本なのに、惜しいことです。
設計者に住宅を依頼するということは
建売住宅やハウスメーカーの注文住宅と一体何が違うのか、
しみじみと感じられる一冊です。

かく言う私は、図書館で借りて読みましたが
是非手に入れて、手元に置いておきたいと思っています。


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プロフィール

h tomo

Author:h tomo
江戸川区南葛西で活動する
建築設計事務所です。
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こちらのブログは私の好きな、
美術のことや編み物、ジョギング記録、
さらに、住生活をより楽しむために
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