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2012
06/16

東京都現代美術館で7/8まで開催中の
「トーマス・デマンド」展を見てきました。

トーマス・デマンドは1964年生まれのドイツの現代美術作家。
紙で実物大に被写体を作り、それを撮影した写真や映像を作品としています。
紙で作った被写体は、撮影後は壊してしまうのだそうです。

作られた被写体は、離れて眺める限り紙製なんて
わからない完成度で驚きました。
写真に近づいてみると、紙のつなぎ目や断面、
石や金属とは違う「軽さ」が確かに見えてきます。

作られた場面は、タイル貼りの浴室、無響室、鍾乳洞の中、大統領の執務室らしき部屋
どこかの制御室、エスカレーターの降り口、大きく横揺れするラウンジ…など。
大統領執務室以外は、地球上にいくつかありそうな、匿名的な空間に見えます。

どのシーンもリアルに作りこまれていますが、人の姿と文字はありません。
人間と文字の不在、そして紙のテクスチャーの軽さに、
会場を進むにつれてだんだん不安をかきたてられました。

会場を1周すると、解説の紙を手にすることができます。
(去年の現美の名和展と同じ方式です)
ここで作品それぞれの場面が、実際に起きた事件の現場を
再現したものであることがようやく分かります。
(「どこかの制御室」は日本人みんなが知ってる「あの制御室」だとか)
匿名の場所だと思っていたのに、解説シート1枚で特別な場所になってしまいました。

普段自分がリアルだと思っていることはリアルなのか、
どこにでもある風景と特別な風景を分けるものは何なのか
色々と揺すぶられる展示でした。

常設展も覗いてきました。
1階は奈良美智作品が結構な点数集まっていて、ちょっとした個展のようです。
小瀬村真美の映像作品もおもしろかった!
「作品の名前」がテーマの常設3階は、有名作家・有名作品だらけですごく贅沢です。

こんな企画展と常設展がまとめて見られる今、
現代美術館行きは、ぜひぜひおすすめです!!

吹き抜けの下、地下1階ではジオラマを作っていました。
庵野監督が「館長」の次の企画展「特撮博物館」の準備のようです。
見たいけど混むんだろうなあ…
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プロフィール

h tomo

Author:h tomo
江戸川区南葛西で活動する
建築設計事務所です。
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