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2009
10/27

茶室とインテリア―暮らしの空間デザイン

読んだ本

chashitsu.jpg

茶室とインテリア―暮らしの空間デザイン(内田繁)

去年の冬から公民館の茶道サークルに通っています。
月2回のうえ、保育園の行事などでしばしば休むため
私のお稽古はなかなか進みませんが、大変楽しいです。
全くの初心者、しかもサークル内では一番の若造。
30を過ぎるとなかなかそういう場がないので、新鮮でもあります。

年齢もバックボーンも違う人たちが、
しいて言えば習い事をする気分的な余裕があることくらいが共通点の人たちが、
一つの空間で同じ花を見、同じお菓子とお茶をいただき、会話する、
それなのに毎回違うことを感じるという不思議さに、すっかり虜になっています。

さて、この本は、茶室という日本のインテリアを考察するエッセイ集です。
先日読んだ松岡正剛さんの「日本という方法」とリンクする部分の多い本でした。
松岡さんと内田さんは仕事上でもつながりがあるようで、
問題意識は相当近い様子。この2冊を続けて読んでよかったと思います。

今の住宅では、「キッチン」「子供部屋」「ダイニング」と、
すべての空間が「ここは○○をする場所」と規定されていて、隙がない。
「隙」は「好き」であり「数寄」でもあり、
子供が逃げ込める「隙」だったり、好きなものを飾る場だったりします。

そういった仏間や縁側、床の間といった場所は
現代の住宅、特に面積に限りのある都市住宅では省かれてしまう余剰空間です。
しかしどんなに狭い住宅でも、
飾りのための小さな場所、美しい光が落ちてくる階段、蛍光灯の均一な光が届かない隅、
そんな場所を工夫して用意したいと思いました。

本書の最後に内田さんは「現在、日本の家は過渡期にあります」と述べておられます。
しかし外来のものを取り込み続ける日本の住宅は、
古来から常に過渡期なのかもしれません。
つねに過渡期なら、設計者ができることはこれからもまだあるはずです。


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